ピロリ菌検査
ヘリコバクター・ピロリ菌(以下、ピロリ菌)は、子供の時に胃の中に感染し、胃、十二指腸潰瘍の原因だけなく、胃がん発生の最大要因と言われています。胃がんのリスクは国立がんセンターの報告でピロリ菌感染者は非感染者の5.1倍という報告があります。
日本人では50歳代以上で70%がピロリ菌に感染しているといわれています。
ピロリ菌感染を調べる方法
ピロリ菌の菌そのもの(菌体や抗原)や菌が体の中に入った反応(抗体)、菌の特性である酵素(ウレアーゼ)を調べる方法があります。そして、それを調べる手段として内視鏡検査が必要な場合と不要な場合があります。
内視鏡を使う方法
鏡検法、培養法、ウレアーゼ試験
内視鏡を使わない方法
抗体検査(血液、尿)、尿素呼気テスト(UBTテスト)、便中抗原測定
保険適応としては、胃カメラで、胃炎や胃潰瘍、十二指腸潰瘍がある場合にピロリ菌感染を調べる検査が認められています。
内視鏡検査を受けずに、ピロリ菌だけを検査したい場合は、自費になります。
当院では、血清ピロリ菌抗体検査、内視鏡による組織の鏡検検査、尿素呼気テストなどを行っております。
ピロリ菌の除菌について
平成25年2月にピロリ菌胃炎でも、除菌治療が保険適応になりました。
(ただし、胃カメラによる検査が必要です。)
ピロリ菌感染症で除菌治療が保険適応の患者
- 内視鏡検査または造影検査において、胃潰瘍または十二指腸潰瘍の確定診断がなされた患者
- 胃MALTリンパ腫の患者
- 特発性血小板減少性紫斑病の患者
- 早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者
- 内視鏡検査において胃炎の確定診断がなされた患者
当院では、ピロリ菌感染が確認された方には、ピロリ菌除菌をおすすめしています。
除菌する方法はとしては、2種類の抗生物質と1種類の制酸剤の計3種類の薬剤を7日間服用することで、約80%の方が除菌に成功するといわれています。
ただ、胸やけの強い方などは除菌後に副作用が残るケースもあり、個別に診察をしたうえで、対応しています。
料金、その他ご質問は、直接電話でお問い合わせください。(Tel.048-240-5911)
ピロリ菌除菌治療後の検査について
ピロリ菌除菌薬を内服終了後、1か月以上経過してから、除菌判定の検査をします。
(飲み終わってから1か月以上なので、飲み始めからは5週間以上です。)
一般的には尿素呼気テスト(UBT)という検査で、ピロリ菌が除菌できたかどうかを判定します。
- 朝食を抜いて来院してください。予約は不要です。
- 常用薬は内服して構いません。水で飲んでください。
- 水は飲んでも構いませんが、その他の飲み物は正確な結果を出すために飲まないようにしてください。
- 検査は吐く息(呼気)をバッグに集める検査です。
ピロリ菌と反応する薬を飲む前と後で2回呼気を集めます。
(検査には30分ほど時間がかかります。) - 結果が判明するまで3日間ほどかかります。
費用は約2000円(再診料込)です。(3割負担の場合)
※原則は朝食抜きですが、午後からしか来院できないような場合は、最低食後4時間は空けて来院してください。
また、検査材料が呼気ですので、喫煙後は30分以上空けてください。
ピロリ菌について、参考となるホームページ
大塚製薬のピロリ菌についてのホームページ